tumblr

tumblr(タンブラー)は、メディアミックスブログサービス。ブログとミニブログ、そしてソーシャルブックマークを統合したマイクロブログサービスである。アメリカのDavidville.inc(現: Tumblr, Inc.)により2007年3月1日にサービスが開始された。

げに恐ろしきask.fm

アプリデザインの参考になるものはないだろうかとアプリストアを眺めていた。ask.fmというアプリのデザインが良さそうだったのでダウンロードしてみた。デザインは結構スッキリしていてわかりにくいところも少ないだろうと思って使ってみる。なるほど、誰かに匿名なりtwitterなどのアカウントと紐付けた上で質問をすることが出来るアプリなのだな。一昔前に流行っていたようだけれども、今はもうその流行は下火のようだ。質問をされたら返す。それだけだけれども、誰かが自分に興味を持って質問してくれるのは嬉しい体験だ。その体験を提供できるのであれば流行りもするはずだろう。誰かから質問が来なくとも、運営側が用意したランダムな質問に答えることもできるらしい。誰か人間にこのアプリを通して質問されることはそれほど多くないかもしれない。多くのユーザーはあまり質問をされることなく、また回答をほとんど誰にも見られることもなくアプリを消すのだろう。そういったユーザーでも多少は一人で楽しめるようにという感じなのだろうか。そういうときでも飽きさせないためのちょっとしたおまけ機能だろう。まぁこれも中々に興味深い。 そんなことを考えながらアプリをいじっていた時に、運営側が用意した質問が来た。「どうやったら百万ドルを獲得できますか?」まぁ普通の質問じゃ面白くはない。こういう突飛な質問のほうが答える側も、そしてその回答を見る人達も楽しいものだろうと思って、自分ならどう回答しようかと考えていた。そして段々と考えていくうちに、何かがおかしい感じがしてきた。なぜ運営はこんな質問を投げかけてきたのか?少しだけだが、本当に100万ドルを稼ぐ現実的な方法を考えてしまった。答えは見つからなかったものの、考えてしまった。まんまと考えてしまったのだ。もしかしたら考えついた人もいるかもしれない。そうだ、この質問はなにも自分だけに送られてきた質問ではない。運営側の用意した質問として、他の多くのアプリを使っているユーザーにも同じ事が問われているのだ。数千万ダウンロードもされているアプリだ。相当数のユーザーにこの質問がいっているのだろう。ウケ狙いで回答したやつもいれば、真面目に回答したやつもいるかもしれない。そしてその真面目なやつの中に、『正解』を出してしまったやつもいるかもしれない。

なんということだ。これはおまけ機能なんてものではなかった。これこそがメインの機能だったのだ。誰かと質問しあって回答しあって楽しくコミュニケーションなんてのは、運営側からしたらそれがむしろおまけ機能だったのだ。これは正にこの質問のために作り出されたアプリだったのだ。人工知能だとかAIなんてものはまだまだ人間様に比べれば大したことはない。やはり人間は偉大であり、その想像力と発想力は果てしない。三人寄れば文殊の知恵、数千万人が集まれば解けない問題などないだろう。ask.fmはいともたやすく数千万人を寄せ、正解を手に入れたはずなのだ。こんな恐ろしいアプリがあるだろうか。人気が下火になっているからなんて、そんなことはもはや関係ないだろう。今、突如10億円くらい降ってきたら、多くの人間は仕事を辞めるだろう。一生遊んで暮らせる金があれば仕事なぞ考える気にもならない。ask.fmはあの質問によって100万ドルを手に入れる方法を手中に収めているわけだ。目的が達成された今や、人気などどうでもよいのだ。運営側が用意した多くの質問の中に、本命であるこの100万ドルを稼ぐ方法という質問をしれっと紛れ込ませたのだ。となると、その多くの質問の中には別の『本当に知りたい』質問があったのかもしれない。「パンとご飯、どっちが好き?」とか「新年の抱負はなんですか?」とか果てしなくどうでもいい目くらましのための質問に隠れて、「どうしたらモテモテになれるとおもいますか?」とか「どうやったら軽犯罪をごまかせますか?」とか「どうやったらフサフサになれるとおもいますか?」とか「どうやったらワキガが治ると思いますか?」とか、そういう本当に正解を求めていた質問を紛れ込ませていたことだろう。そして彼らは多分それらに対する正解をまんまと得てしまったわけだ。

げに恐ろしきask.fm。関係者たちはもう100万ドルを手にしているだろう。関係者たちの頭はフサフサで酸っぱい匂いを発することもないのだろう。こんなにクレバーなアプリが今までに存在しただろうか。そしてこれを超えるものは今後あるのだろうか。